UnNews:「間違って技が決まってしまった」悔やむ斎藤選手
出典: へっぽこ実験ウィキ『八百科事典(アンサイクロペディア)』
「間違って技が決まってしまった」--。6月13日に広島市内で三沢光晴選手(享年46)がプロレスの試合中に死亡した事故について、対戦相手の斎藤彰俊選手(43)は声を絞り出すようにこうつぶやいた。
一部の例外を除いてよく知られていることであるが、プロレスは、本当に相手を打倒するための“真剣勝負”ではなく“いかに技が美しく決まっているように見せるか”を競う芸術である。さらに“いかに真剣勝負をしているように観客に見せられるか”でプロレス選手の優劣が決まると言っても過言ではない。「プロレス自体が八百長ではないか」との心無い声が聞かれるが、先述の理由からこれは的を射た表現ではない。
そもそも格闘技で真剣勝負などしていると命がいくつあっても足らないことは、一部の人を除けばよく理解されていることであろう。
あらゆる格闘技の中で、本当に真剣勝負をする数少ない競技のひとつであるボクシングでは、パンチの威力を緩和するための大振りのグローブを付けて対戦するし、それでも試合が終わると顔は見るも無残に腫れ上がり、場合によっては流血する。またアマチュアではヘッドギアの着用が義務付けられている。それでもボクシングの試合における死亡事故は後を絶たない。
プロレスのように何の防具も持たずに戦い、さらにコーナーポストから相手の身体をめがけて落下するなどして無傷でいられると考えることに土台、無理があるのだ。だからプロレスラーは“試合のシナリオ”や“流れ”を何よりも重視して安全確保に努めている。非常に競った試合が、たったひとつの技であっけなく決着がついたりするのも“流れ”がそうなっているからに他ならない。
プロレスラーは、このような努力によって、ほかのスポーツ(非格闘系含む)では考えられないような高齢の選手が存在するのもこのためだ。たとえばジャイアント馬場選手の得意技のひとつ「十六文キック」は、なんとなく“相手からキックされに行くように見える”が、これは下衆の勘繰りというもの。馬場選手のようなベテランになればなるほどその技は神業の領域に達し、常人では理解しにくい美しい技に昇華させることが出来るのである。
斎藤選手はプロレスラーとしては若いが、今回の事故は若さゆえのミスと言えよう。斎藤選手の今後の精進を願ってやまない。