恐怖の大王
出典: へっぽこ実験ウィキ『八百科事典(アンサイクロペディア)』
恐怖の大王(きょうふのだいおう、仏:un grand Roi d'effrayeur)とは、ミシェル・ド・ノートルダム(ミカエル・ノストラダムス)がその「予言集」(百詩篇集)の中で、1999年の第7の月に「アンゴルモアの大王」を蘇らせるため舞い降りるであろうと予言した人物のことである。
ただし「恐怖の」は実は誇張表現であり、真相はたいした大王ではなかったといわれている。
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[編集] 概要
「恐怖の大王」とされる人物が登場する「ミシェル・ノストラダムス師の予言集」の句は、全10巻あるうちの最後の巻、72番目に書かれているものである。
彼はフランス人なので当然フランス語で文を書いているが、暗号や外国語(ラテン語が代表的)、創作語などが結構混じっている。原文は大体以下のようになるといわれている。
- L'an mil neuf cens nonante neuf sept mois,
- Du ciel Viendra un grand Roi d'effrayeur,
- Resusciter le grand Roi d'Angolmois,
- Avant apres, Mars regner per bon heur.
また上記のような理由で難解な箇所があり、そのため和訳文は訳した人によって異なる。よって確定したものは存在していないが、大体以下のようになるといわれている。
[編集] 解釈
日本で1999年前後になされた解釈事例は頭の固い事典記事を参照してほしい(戦争、ジャックリー、モンゴル人、宇宙人、小惑星、土星探査機、核兵器、デ・クエヤル国連総長、訳した本人、ベスビオ火山の噴火などがある)が、決定打は今の所ないらしい。
[編集] 注意点
「恐怖の大王」というが、その「恐怖の」を示している「effrayeur」の単語はフランス語辞典に載っているものではなく、ノストラダムスが「危惧させる、嫌悪される」を意味する動詞の「effrayer」を連体詞に仕立て上げたものだといわれている。よって本来は「人々から嫌われる大王」、「人々から脅威に思われる大王」とでもいうべきものであり、破局的な単語とはいいがたい。
また初期の版によっては「defferayeur」とアポストロフィが抜けていて、「代金を支払う大王(パシリの王?)」と解釈できるものも存在している。上で「恐怖の」が大げさといったのは、このためである。
いずれにせよ、この大王と「アンゴルモアの大王」、それに「火星」の意味が分かりにくいため、真意を汲み取るのはなかなか難しいといわれている。
しかし文から読み取れるのは、この大王は平和な統治が行われている時期に現れ、「アンゴルモアの大王」を蘇らせるということだけである。現れた「後」にも幸福な統治が行われるというのであるから、これを人類滅亡(この世の終わり)などといった不幸なことと解釈することは、全くのお門違いと看做せる。
[編集] 空想が起源の滅亡説
なおこの単語が日本の20世紀後半において、人類滅亡と結び付けられるようになったのは、五島勉の手で「ブロワ城でカトリーヌ・ド・メディチ王妃にノストラダムスが『恐怖の大王は目に見えない姿をしていて、それが来た後の世は何もなくなっていた』と述べた」という逸話が彼の書籍に記されたことに因んでいるが、1555年にカトリーヌへノストラダムスが謁見した時点ではまだ恐怖の大王が書かれた「予言集」第10巻は世に存在しなかったこと、それに海外の伝記にはこの話が全く出てこないことが判明している。
[編集] 理解されぬがゆえの誤解
さて日本では、予言詩が成立した当時の情勢(当時のフランスは戦争・飢饉続きで更にペストが流行するという、現代の日本とは比較にならないほど過酷な環境であった)はおろか、予言詩の全体像も把握していない者が多く存在した。2月14日が「ヴァレンタイン司教の殺害日」(なお、昨今の研究ではこの司教の実在は否定されている)に因み、12月24日や3月14日に至っては教会や企業による「創作」(フィクション)であることを認識していないのと同様である。
特に良くあるひどい事例は、「アンゴルモアの大王」と同一人物にされていることである。日本における著名漫画・アニメ作品である『ドラえもん』(映画の「宇宙漂流記」にて人々を操る怪物として登場)や『ケロロ軍曹』(ただし、14巻以降の原作では両者が分けられている)などにおいてもそのような解釈がなされているため、日本人の多くがそう信じ込んでしまっているのも無理からぬことであるが、これでは「恐怖の大王は自分を蘇らせる」という、意味不明な文章になってしまう。もし、自分を「覚醒」させるという意味で用いているのなら分からないでもないが、そうであれば今度は社会からは「麻薬中毒の気違い」として見られることになるであろう。
[編集] 関連キーワード
ノストラダムスの予言は「四行詩」という形態をとっており、日本の短歌における「五・七・五・七・七」(31音節)のように一定のルールがある。この詩の場合、1行目と3行目、2行目と4行目については末尾単語の韻を同一にすることになっており(押韻)、3行目の「Angolmois」に合わせて1行目の7月を「juillet」ではなく「sept mois」(7ヶ月)と表記した可能性が高い。
また1999年を指す「L'an mil neuf cens nonante neuf」であるが、これはたまたま文字数が合ったためにそう書かれた可能性が高く、深い意味は無いという指摘も存在する。現に、ノストラダムスの予言で事象が発生する年月が記されたものは全体の1%にも満たず、更にその年号が書かれた年に予言に該当する事象が起こった事例は存在しない。
現在では欧米の実証的研究により、「アンゴルモアの大王」に関してはフランスの「アングーモア」地方で生まれたノストラダムスの時代の国王、フランソワ1世であるということが、ほぼ判明している。彼はルネサンスをフランスで広め、同国の振興に尽くしたことから、偉大な国王(大王)として当時から尊敬視された人物である一方、神聖ローマ帝国と領土を巡ってしばしば争いを繰り広げていたため、イスラム教圏(中東、北アフリカ、東ヨーロッパ)の覇者であったオスマン帝国と同盟を結び、同国が神聖ローマ帝国を攻撃することを嗾けるような政策をとったため、ノストラダムスを始めとする欧州のキリスト教徒からは嫌われたり、恐れられる面があった。
そのため「恐怖の大王」の登場は、「アンゴルモアの大王」(フランソワ1世)の再臨を思わせる出来事ということで、この表現をしたと考えられる。
また、「火星」に関しては惑星名ではなく、その英仏名「マーズ」・「マルス」の語源であった「軍神」であるという説も有力である。織田信長にナポレオン・ボナパルト、ウィストン・チャーチルなどが未だ「英雄」とみなされるのと同様に、戦で強い統治者が尊敬されるというのは、国を問わず良くあることだからである。戦好きの国王により、フランス国民にとっては良い統治がなされるとでも看做すべきであろう。
その一方、「火→赤い+星→丸い = 赤球」という推測も出ている。これは1999年7月、赤球の正体が医学的に解明され、これによって赤球放出が男性不妊症を引き起こす事が判明したため、日本を中心に自殺者が急増、社会問題化したからである。なお同説では「火星 = 恐怖の大王」と両者を同一視している。
[編集] 「恐怖の大王」の正体は?
さて1999年は、少なくとも我々のいる三次元世界では、天変地異とか宇宙人の来襲などは起こらずに過ぎ去った。しかし、恐怖の大王が何であったかについては、7月以後もさまざまな解釈がなされている。以下にその事例を示す。
現在ではウラジーミル・プーチン説と、日食、イエス・キリスト説が有力視されている。
[編集] ハイジャック(1999年7月23日)
全日空61便がハイジャックされ、機長が指された事件でその犯人を予言したというもの。しかしこれだと、「アンゴルモア」と「火星」が何かわからない。
[編集] ウラジーミル・プーチン(1999年8月9日)
ボリス・エリツィンによって、1999年8月9日に副首相、同月16日に首相へ任命された今のロシア大統領、ウラジーミル・プーチンを指しているというもの。ノストラダムスの時代に使われていたユリウス暦では、この日もまだ7月28日であるため、外れていることにはならないとされている。
この解釈では彼が現在、ヨーロッパとアジアのCIS諸国に恐怖を与えていることを予想しているといわれている。今の東欧情勢を危惧したという面では、最も彼の信望に適った(彼はフランス東方からの侵略活動をかなり危惧していた)解釈例であったともいえる。この場合、「火星」はロシアの有する軍事力と見て間違いなく、チェチェン紛争等の鎮圧を示しているという解釈がなされている。
[編集] 日食(1999年8月11日)
この日、西ヨーロッパの一部で起こった皆既日食を予言したというもの。ノストラダムスの時代の暦であるユリウス暦では、7月30日に当たる。
天文学の発達していない当時のヨーロッパでは、日食や彗星が「恐るべき出来事」と考えられていたと考察するのは自然であり、この程度の現代の目からすれば低レベルな予言であったと看做すことも可能といえる。
[編集] トルコ地震(1999年8月17日)
トルコで地震があったことを予想したというもの。大規模地震は年18回も世界のどっか(多くは無人地帯)で起こっているのだから、当たっても当然とはいえるが。
[編集] テロ(2001年9月11日)
2001年9月11日にニューヨークの世界貿易センタービルやペンタゴンを破壊したアメリカ同時多発テロ事件を予言したというもの。2年2ヶ月もずれているのに、どうして結び付けられるのかは分からない。
[編集] 円高
ビートたけし主演の「たけしのTVタックル」において、9月を過ぎても何も起こっていないと非難された山内雅夫が唱えた説。何で円高をノストラダムスが予言しなければならないかは不明。また山内は、これから何が起こるかとたずねられると、「来年(2000年)の4月になるとですね定額郵便貯金がですね解約になるから」とも答えた。郵便貯金まで予言していたとは驚きである。
[編集] イエス・キリスト
西暦における千年紀の終わりであるため、イエス・キリストが再臨して来るだろうという説。「みいつの大王」ことイエスを「恐るべき力を持った人物」として「恐怖の大王」にしたものである。
現代よりカルト宗教のキリスト教に毒された人物が多かったことを考えれば、今の目では妄想としか言えようなことでも、まじめに考えていた人がいたというのは自然といえる。
[編集] ユニクロン
「トランスフォーマー・ビーストウォーズ」における「恐怖の大王あらわる!」の話でユニクロンの幻影があらわれる。1999年7月放送の「ビーストウォーズ・ネオ」では不完全な復活、2003年の「マイクロン伝説」および「スーパーリンク」では完全な復活を遂げる。
[編集] アンゴルモアと一体化
前述したように、アンゴルモアと一体化したと解釈する事例もある。詳しくは当該項目を参照。
[編集] 関連項目
- ヨハネの黙示録(キリスト教の新約聖書を構成する、世界の終わりを示したとされる文章の一。恐怖の大王やアンゴルモアもこれらとよく混同される)
- ハルマゲドン(上記の文章に出てくる、最終戦争のため悪魔が集まる場所とされたイスラエルにある「メギドの丘」(ハル・メギド)のこと。現在では最終戦争のことと誤解されている)
- アルマゲドン(ハルマゲドンを破滅と勘違いした者が、妄想で作成した映画のこと)
- 五島勉(この詩が「人類滅亡の予言である」という妄言を、多くの日本人に信じ込ませた日本の偉大なるペテン師)
- MMR(同じく影響力大の人たち)
- 未来/未来 (フィクション)
- 大川隆法(幸福の科学においては、恐怖の大王の襲撃に対抗しうる人物とされていて、ノストラダムスから言葉を信託されたことになっている)
- 文鮮明(統一教会の代表で、やはり世紀末の救世主にされていた)
- と学会(予言を1980年代から批判し続けていた人々の団体。山本弘、志水一夫、皆神龍太郎など)
- 吉崎観音/能登麻美子(恐怖の大王とアンゴルモアの大王、それにヨハネの黙示録とハルマゲドンという、何か関係なさそうな4つの用語を結びつける鍵とされる人物)